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アクセス解析から見えてくるUX(ユーザーエクスペリエンス)デザイン

「ユーザエクスペリエンス」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?今回は、「UX Advent Calendar 2013」のエントリーとして、アクセス解析(WEB解析)とユーザーエクスペリエンスについて寄稿しています。

ホームページのアクセスログを解析することで、訪問者がどのようなUXを体験しているのか想像することができ、同時に改善策を練ることができます。ユーザーエクスペリエンスデザイン(UXデザイン)とは何か?というところから、サンプルケースを題材にユーザーエクスペリエンスの改善を考えていきましょう。

ユーザーエクスペリエンスデザイン(UXデザイン)とは?

ユーザーエクスペリエンス(UX:User Experience)を日本語にすると「利用者の経験」。そのユーザー経験に関して、より良いものを提供できるようにデザインとして解決策を提供するのが、UXデザインです。

言い換えると、ユーザー(利用者)の経験自体に提供者が良い影響を与えて経験をコントロールするのがUXデザイン、とも言えるかもしれません。

ちなみにWikipediaを引用すると、

ユーザーエクスペリエンスデザインは、ユーザーエクスペリエンスについてのエクスペリエンスデザインである。デジタル機器/システムに対するユーザーの見方に影響を与えるようなアーキテクチャやインタラクションモデルの生成に関する手法である。「製品とユーザーのインタラクションのあらゆる面、すなわちどのように気づかれ、学ばれ、使われるのか」をその適用範囲とする。

と書かれています。特に、

  • どのように気づかれ
  • 学ばれ
  • 使われるのか

という3点は非常に大切かと思います。

ホームページを訪問したときの「経験(エクスペリエンス)」

ホームページも訪問者がホームページに入った瞬間から、ユーザーエクスペリエンスが発生します。先ほどの引用に乗っ取れば、ホームページの訪問者が

  • どのように必要としている情報に気付き
  • どのように必要としている情報にたどり着く方法を学び
  • どのような時に訪問者に情報やホームページ自体が使われるのか

ということを考えることが、ユーザーエクスペリエンス(UX)をデザインするということなのです。

これは、ホームページのみならず、ビジネスにおいてのマーケティングに通じるところもあります。その上で、様々なチャネルのひとつであるホームページという媒体が、ターゲットの訪問者に対して、

  • ターゲット層がちゃんと気付く形で商品やサービスの情報を提供できているのか?
  • ターゲット層が簡単に商品やサービスの情報までたどり着けるデザインになっているのか?
  • ターゲット層の訪問するタイミングや、訪問に至る状況に合わせた使われ方が可能なホームページになっているのか?

ということを考えて設計されていれば、よりよい経験(UX:ユーザーエクスペリエンス)を提供できることになると思います。

訪問者の経験(UX:ユーザーエクスペリエンス)

では、よくありそうな例で考えてみましょう。仮に以下のような飲食店があったとします。

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photo credit: Smaku via photopin cc

  • ターゲット層:30〜50代の男性
  • 業態:駅前立地のラーメン屋
  • 営業時間:18:00〜26:00

またアクセス解析の結果以下のことが分かりました。

  • 夕方から夜にかけてパソコンからのアクセスが多い。メニュー表がよく見られている。流入元は個人ブログなどが多数。
  • 深夜前後はスマートフォンからのアクセスが多い。アクセスマップの地図がよく見られている。流入元はGoogle検索。
  • 金曜の夜に毎週のアクセスのピークが来る。来店者のピークと一致。

これらを先ほどの3つの点と照らし合わせながら、UX(ユーザーエクスペリエンス)を考えてみましょう。

どのように使われるか?

順番は前後しますが、まずはホームページが使われる状況を考えます。業種とアクセス解析結果から仮説を立ててみましょう。

  • 仮説1:パソコンからの訪問者は、個人ブログのラーメン屋レビューを見てホームページに来る人が多い。メニュー表のページをよく見ており、お店のラーメンに関する詳しい情報を知るため、事前調査の情報源としてホームページを使っているのでは?
  • 仮説2:スマートフォンからの訪問者は、検索サイトから来て地図を見ていることが多い。飲み会の後に締めとして、ラーメン屋の位置や営業時間をスマートフォンから調べているのではないか?

どのように気づかれるか?

訪問者が必要としている情報に気付くためには、ホームページのコンテンツとして用意されている必要があります。

  • パソコンからの訪問者に対しては、事前調査をしているかもしれないので、お店のラーメンに対するこだわりや豆知識などを詳しく提供すると喜ばれるかもしれません。
  • スマートフォンからの訪問者に対しては、すぐにたどり着きたいという気持ちが強そうなので、営業時間はもちろん、電話番号や道順などの情報が喜ばれるかもしれません。

どのように学ばれるのか?

ほとんど訪問者はホームページについての操作方法は、すでに学んだ状態でいます。そのホームページを訪問する前から「よくあるホームページ」を想像して訪れ、別のホームページですでに学んだ「情報までたどり着く方法」を実践しようとします。

例えば、ページを移動したい場合は画面の上の方にあるボタンで移動できる場合が多く、お店の場所を探すときは「地図」や「アクセス」といったボタンを探します。

ここでは訪問者が期待する操作方法を用意しておくことで、「学ぶ」プロセスを最小にして、ストレスなく情報を探してもらうことができます。

実際の施策

以上の事を踏まえてホームページをデザインすると、

  • パソコン用ホームページは、提供するラーメンについて詳しい情報を掲載して、トップページからアクセスしやすいようにする。
  • スマートフォン用ホームページは、トップページの一番上に「電話番号」「営業時間」および地図などのお店にたどり着くために必要な情報を優先的に掲載する。

というようなページになると思います。このケースの場合では、パソコン用とスマートフォン用のトップページはデザインを変えた方がより良いユーザーエクスペリエンス(UX)を提供する事ができるでしょう。

まとめ

ホームページの訪問者にとってユーザエクスペリエンスは非常に大きな影響を与えます。悪いユーザーエクスペリエンスを提供してしまうと、ホームページをすぐに閉じてしまうかもしれませんし、再訪問も望めないでしょう。結果的にはビジネス自体にも悪い影響を及ぼします。

UXデザイン(ユーザーエクスペリエンスデザイン)を考えるにあたって、解析ツールのアクセスログなどのアクセス解析結果(WEB解析結果)は改善のための非常に役立つヒントになります。

たかがデザインされどデザインですが、訪問者の経験を想定してデザインされているに越したことはありません。みなさんも、自分のホームページの訪問者がライバルより良い経験(ユーザエクスペリエンス)を得られているのかどうか、この機会にぜひ考えてみてください。

アイキャッチ画像:photo credit: baldiri via photopin cc

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